サッカーの試合を見ていると「VARだ~!!」と叫ぶアナウンサーの声を聞きます。
VAR…まぁわかっちゃいるけど、「説明して」と言われるとイマイチ説明できないサッカーファンも多いのではないでしょうか。
この記事では、VARの意味や役割をテーマに、判定の流れ、Jリーグでの導入状況まで徹底的に解説します。
VARがどのような場面で使われ、どんな影響をサッカーにもたらしているのか、世界と日本の違いを比べながら、分かりやすく紹介していきます。
この記事を読めば、「お前、物知りだな」とサッカー仲間に言われること間違いなしです。
【サッカー】VARとは?日本と世界の現状

【サッカー】VARとは?日本と世界の現状について、以下の内容で解説していきます。
- VAR導入の歴史
- JリーグではいつVARが始まったの?また日本サッカー協会(JFA)の方針
- VARとVTRの違いは何?
① VAR導入の歴史
VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)は、もともとサッカーの判定をより正確にするために導入されたシステムです。
初めて注目されたのは2017年のFIFAコンフェデレーションズカップで、このときから「ビデオ判定」という言葉が本格的にサッカー界に浸透し始めました。
そして、2018年のロシアW杯で正式採用され、VARの存在感が一気に広まりました。
この大会では、VARによる判定が得点やPKに大きく影響し、「公正なゲーム」を求める声に応えた形となりました。
その後、欧州主要リーグ(プレミアリーグ、ラ・リーガ、セリエA、ブンデスリーガなど)でも次々に導入され、もはや現代サッカーには欠かせないシステムとなっています。
映像技術の進化とともに、判定の精度も向上し、フェアプレー精神の向上にもつながっているんですよね。

VARが導入された時は、マリーシアとか微妙なプレーで審判は迷うことなくなるのかなと。
② JリーグではいつVARが始まったの?また日本サッカー協会(JFA)の方針
JリーグでのVAR導入は、世界に比べて少し遅れてスタートしています。
正式にJ1リーグにVARが導入されたのは2020年からですが、初年度はコロナ禍の影響で1試合のみの運用となってしまいました。
しかし、2021年からはJ1リーグ全試合、スーパーカップ、ルヴァンカップのプライムステージなどで本格的に適用が開始されました。
このVARの導入に向けて、日本サッカー協会(JFA)は審判の教育や技術サポート体制を強化し、IFAB(国際サッカー評議会)の規定に沿って慎重に導入準備を進めました。
JFAはVARに関しては「最小限の干渉で最大の利益」という考えであって、あくまでも主審のサポートであると発信しています。
海外に比べると控えめな運用姿勢とも言われていますが、それだけ日本らしい丁寧な進め方とも言えそうです。
③ VARとVTRの違いは何?
「VAR」と「VTR」、似たような言葉ですが、まったく違う意味を持っています。
「VAR」は「ビデオ・アシスタント・レフェリー」の略で、審判の補助を行う人またはそのシステムを指します。
対して「VTR」は「ビデオ・テープ・レコーダー」の略で、単に映像を録画・再生するための装置を意味します。
あとは、ニュースなどのテレビ番組で「VTRをご覧ください」っていうのは、単に録画映像のことですよね。



つまり、VTRは機械や録画映像、VARは審判補助の仕組みですね。
混同して使っている人も多いですが、VARは特別な訓練を受けた審判チームが専用のビデオシステムを使って試合をチェックし、正確な判定を下すための「制度」なんです。
要するに、「見るだけ」じゃなくて「判定に関与する」ってところがポイントなんですよね。
【サッカー】VARの運用ルール|どんなシーンで発動!?


VARの運用ルールなど、どんなプレーや局面で発動するのか、以下の内容で解説していきます。
- VARが介入できる具体的な事象・プレー例
- オフサイド・得点シーンの判定事例とその流れ
- オンフィールドレビュー(OFR)って何?
① VARが介入できる具体的な事象・プレー例
VARが発動されるのは、すべてのプレーではありません。
まずは、下の画像を見て頂きたいのですが、サッカーファンなら当然見たことがあるシーンですよね?
その役割はあくまで「主審の明確な間違いを修正」であったり、「主審の判断を助ける」ことに限定されているんです。
具体的には以下の4つのケースだけに限られます。
VARが介入できるケース | 内容 |
---|---|
得点の有無 | ゴール前の反則やオフサイド、ゴールライン割ったかなどの確認 |
PKかどうか | ペナルティエリア内での反則の有無 |
退場の判定 | 一発レッドカードに値する行為の確認 |
警告・退場の人違い | 審判が別の選手にカードを出してしまった場合 |
「明白な間違い」や「重大な見逃し」がなければ、VARが発動されることはありません。
つまり、VARの判断対象になるのは「明らかに判断ミスだと分かる場面」や「審判から見れない場所」だったりに限定されているわけですね。
② オフサイド・得点シーンの判定事例とその流れ
得点が決まった瞬間、VARは自動的にそのプレーをチェックします。
その際、主に以下の3点を確認します。
- 得点前にオフサイドがなかったか
- ゴール前でのファウルやハンドがなかったか
- ボールがアウトオブプレーになっていないか
例えば、2022年カタールW杯で話題となった、上記で紹介した「三笘の1ミリ」も、ボールがラインを割ったかどうかがVARで判断されました。
ぶっちゃけ、VARの画像でも難しいぐらいだったから、肉眼じゃ絶対ムリだと思いましたよ。
VARチェックは以下の流れで進んでいきます。
- 得点の直後にVARが映像を確認
- 明白な反則があった場合は主審に無線で伝達
- 必要に応じて主審がオンフィールドレビューを実施
- 最終的に主審がゴールを認めるか取り消すか決定
このように、1つのゴールに対しても、細かくプレーの妥当性がチェックされるんです。



ホント、1点が重いサッカーだからこそ慎重になるのも納得ですよね!
③ オンフィールドレビュー(OFR)って何?
OFR(オンフィールドレビュー)とはVARとなって、主審がフィールド脇にあるモニターで映像を確認することです。
試合中、主審が耳に手を当ててイヤホンを聞いたり、四角を描くようなジェスチャーをするのを見たことはありませんか?
それがOFRなんですね。
OFRのステップは以下の通りです。
ステップ | 内容 |
---|---|
① チェック開始 | VARが該当プレーを確認開始 |
② レビュー提案 | 明白なミスと判断された場合、主審に伝達 |
③ モニター確認 | 主審がピッチサイドのモニターで映像確認 |
④ 判定変更または維持 | 主審による最終判断 |
選手やファンの間でもよく誤解されていますが、VARは補助的存在にすぎないんですよ。



個人的には、こういう丁寧なレビューがあると「審判はちゃんと試合を作っているなぁ」と感心します。
【サッカー】VAR判定の流れと審判チームの役割
【サッカー】VAR判定の流れと審判チームの役割について、以下のとおり解説していきます。
- ビデオ判定から最終決定までの流れ
- 主審・副審・VARチーム(AVAR)の連携・役割分担
- 使用されるカメラ技術・映像機器の解説
① ビデオ判定から最終決定までの流れ
VAR判定までのプロセスは、きちんと定められています。
試合中、問題となりそうなプレーが発生した場合、その瞬間からVARチームはチェックを開始します。
以下が、VAR判定の流れです。
- 該当シーンの発生:ゴール、PK、退場などの場面で「すんなり判断できない違和感」があると、VARが自動でチェックを開始。
- VARが映像を確認:ビデオオペレーションルームで様々なカメラ映像を用いて該当シーンを検証。
- 主審に連絡:「明白なミス」や「重大な見逃し」があれば、無線を通じて主審に報告。
- OFRの実施(必要に応じて):主審がピッチサイドのモニターで映像を確認。
- 最終判定:主審が最終判断を下す。
この流れは常に一貫していますし、主審の判断を尊重するための仕組みが重視されています。
一方で、VARのチェック中にプレーが止まってしまうことで、テンポが悪くなることは否めません。



でも、ボク個人的には多少時間がかかっても「キチンと正しい判定してくれる安心感」が勝つんですよね。
② 主審・副審・VARチーム(AVAR)の連携・役割分担
VARの判定には、1人の主審だけでなく、実は多くの関係者が関わっています。
役職 | 役割内容 |
---|---|
主審 | 試合の最終判定を下す。VARからの助言を受ける立場。 |
副審 | サイドラインやオフサイドの確認。旗を使って主審に情報提供。 |
第4の審判員 | 交代・時間・監督の管理など試合の周辺を担当。 |
VAR | 該当プレーを映像でチェックし、必要に応じて主審へ提言。 |
AVAR | VARのサポート役。複数のカメラ映像を切り替えたり、事象を記録。 |
リプレイオペレーター | VARと連携して最適な映像を即座に表示する技術者。 |
このように、VARの判定は1人ではなく複数人できちんとチェックしています。
主審1人で判断していた時代に比べると、サポート体制は格段に強化されてます。



「1つの判断ミスで試合を壊さない」とでも言いましょうか、まさに【審判チーム】という名前がふさわしいですね。
③ 使用されるカメラ技術・映像機器の解説
VARの運用には、高度なカメラと通信システムが不可欠です。
では、実際にはどんな機器が使われているのか気になりますよね?
代表的な技術には以下のような機材があります。
- 多視点カメラ:ゴール裏、ペナルティエリア、タッチラインなどに複数のカメラを設置し、あらゆる角度から映像を取得。
- ハイスピードカメラ:動きが速いプレー(例えば手に当たったかどうかなど)を、スローモーションで確認できる。
- バーチャル・オフサイドライン:オフサイドの判断に使われる専用ソフトで、身体の一部がラインを越えているかを正確に表示。
- ヘッドセット通信:VARと主審がリアルタイムで情報をやりとりするための通話システム。
特に近年では、AI技術や3D再構成技術も導入されはじめており、誤審を防ぐ仕組みがどんどん進化しています。
いや〜、サッカーの判定もここまでハイテクになる時代になったんですよね。



マラドーナの伝説の神の手は、VARがある今の時代だったとしたらノーゴールにたっていた可能性大ですよね…。
【サッカー】VAR導入のメリットと問題点
それでは最後に、【サッカー】VAR導入のメリットと問題点について、現場の声や実例を交えてわかりやすく解説していきます。
- VAR導入によるメリット・ポジティブな影響
- VAR批判や課題…誤審や試合遅延などの問題点
① VAR導入によるメリット・ポジティブな影響
まずはVARによるポジティブな影響を紹介します。
最大のメリットは、間違いなく【試合の判定が「より正確になる」】ことです。
特に、得点やPKのように試合を左右する重大な場面で、主審が映像をもとに再確認できることで、「明らかな誤審」が減少しています。
その結果、公平性が高まり、選手やファンの納得感も向上しています。
また、VARの導入によって選手のマナー意識も改善されたというデータもあります。
- 不正行為(シミュレーションや暴力行為)に対する牽制力が強くなった
- 抗議によるカード乱発が抑制される傾向に
- ファウルの減少や試合の緊張感アップ
たまたま見逃してしまった大事なシーンで、VAR映像で確認できるのは本当に便利だなって感じます。



昔は、明らかに誤審であっても「審判が絶対」でしたけど、今はちゃんと「透明性」があるのかなと。
(もちろん今も審判は絶対ですけども…)
② VAR批判や課題―誤審や試合遅延などの問題点
一方で、VARに対する批判や課題も存在します。
よく指摘されるのが【試合の流れが止まる】という問題です。
VARの確認やOFRに時間がかかると、プレーのテンポが崩れ、観客や選手の集中力にも影響が出ることがあります。
また、VARを使っても100%正しい判定が下されるわけではなく、映像の解釈に差が出るケースもあります。
たとえば、
- 映像では見えにくい「接触の強さ」や「意図の有無」
- ハンドの基準の曖昧さ
- 判定に一貫性がないという声
などが議論の的になることも多いです。
さらに、一部のJリーグファンの間では「VARに頼りすぎて主審が自信を持ってレフェリングしていないのでは?」という声も聞かれます。
また、VARの導入には、VAR専用の映像機器であったり、トレーニングを受けた審判、そして通信インフラが必要なので、なかなか敷居が高いのも事実です。
ということで、中小クラブや地方スタジアムでは、なかなか実装が進まないという現実もあるのですね…。
ボク個人的には、「公平な判定」と「試合のテンポ」、このバランスが大事だなと思います。
VARなどの【THE 機械】があれば審判が必要無い、またはVARで確認するために試合が進まない…とか、どちらかに偏りすぎると、サッカーの魅力が損なわれるのは嫌ですから。
まとめ:サッカーにおけるVARの意味は…あくまで審判の補助的役割


VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)は、サッカーにおける判定の精度を高めるために導入されたビデオ判定システムです。
世界では2018年のロシアW杯から本格導入され、日本では2021年のJリーグシーズンから本格運用が始まりました。
主審の死角であったり、判断に難しい一瞬のタイミングに起こった【ゴール・PK・退場・選手違い】といった重大なシーンやプレイにのみ適用されます。
判定の正確さや公平性が向上した一方で、試合の流れが止まる、機材コストが高い、もっと言ってしまえば「極論レフェリーいらなくなるんじゃね?」などの課題も…。
今後も技術の進化とともに、VARの運用方法はアップデートされていくでしょう。
本記事で知識を付けることで、サッカー仲間との会話に役立つことを願っています。