キャッチャーに左利きが少ないのはなぜか、疑問に思ったことはありませんか?
実際、プロ野球やアマチュア野球でもほとんど見かけませんよね。
先に言ってしまうと、左利きの選手がキャッチャーとしてプレーしにくい理由には、二塁・三塁への送球の難しさや、本塁でのクロスプレーの不利さなど、さまざまな理由があります。
しかし、「左利きキャッチャーは絶対に無理なのか?」というと、必ずしもそうではありません。
過去にはMLBで左利きキャッチャーがプレーした事例もあり、ソフトボールでは左投げのキャッチャーが活躍するケースもあります。
また、近年の野球戦術の変化によって、今後は左利きキャッチャーの可能性が広がる可能性も!?
本記事では、左利きキャッチャーが少ない理由、これまでの事例、そして左利き選手が活躍できるポジションについて詳しく解説します。
キャッチャーに左利きが少ない理由とは?

キャッチャーに左利きが少ない理由について、以下の内容で詳しく解説していきます。
- 二塁・三塁への送球が難しい
- 本塁クロスプレー時にメッチャ不利
- 捕手をこなせる能力の高い左利き選手は投手に重宝される
- 左投げ用キャッチャーミットの少なさ
① 二塁・三塁への送球が難しい
野球では右打者の割合が圧倒的に多いため、左利きのキャッチャーは送球の際に打者が邪魔になることが多くなります。
特に二塁送球時は、左投げの場合は体を大きくひねる必要があり、その分送球が遅れてしまうことがデメリットとされています。
また、三塁への送球時にはさらに難易度が上がります。
右投げのキャッチャーであればそのまま投げられるところを、左投げの場合は一度体を反転させてから投げる必要があるため、そのちょっとした動作でのコンマ数秒でセーフになる可能性大です。
② 本塁クロスプレー時にメッチャ不利
本塁でのクロスプレーでは、走者がホームに滑り込む際に左利きのキャッチャーはタッチをする手が逆になるため、タッチプレーが遅れる可能性があります。
右投げのキャッチャーであれば、左手にミットをはめているのでそのままタッチできますが、左投げの場合はミットを右手に装着することになるため、追いタッチになりがちです。
この一瞬の違いが勝敗を左右する場面もあるため、左利きのキャッチャーは不利とも言われています。
③ 捕手をこなせる能力の高い左利き選手は投手に重宝される
左利きの選手は、ある意味その貴重さから多くの場合が投手として育成される傾向にあります。
高校野球、プロ野球でも、左投手が重宝されるため、捕手としての適性があったとしても、より重要なポジションである投手へとコンバートされることがほとんどです。
これは小学生や中学生の野球チームでも同様で、左投げで肩の強い選手がいる場合は、まず投手を任されるケースが多いのが現実なんですよね。

そういうボクも左利きなので、部活ではキャッチャーではなくピッチャーとしてプレーしてきました。
左利きピッチャーは相手に有利であっても、左利きキャッチャーが相手に有利になる場面がほぼ無いんですよね。
④ 左投げ用キャッチャーミットの少なさ
当然ですが、左利きキャッチャーは圧倒的に少ないので、左投げ用のキャッチャーミットも少ないです。
そのため、左利きの選手がキャッチャーを希望しても、道具の面でハードルが高くなり、結果として別のポジションへ移ることが多くなります。



一応、左利き用のキャッチャーミットは販売されてはいるんですけど、やはり数が少ないんですよね。
左利きキャッチャーは本当に無理なのか?
左利きキャッチャーが少ない理由はあるものの、絶対に不可能というわけではありません。
確かに事例としては少ないですが、以下のとおり深堀りして見ていきましょう。
- これまでに存在した左利きキャッチャーの事例
- ソフトボールでは左利きキャッチャーが成立する理由
- 現代野球で左利きキャッチャーが増える可能性は?
① これまでに存在した左利きキャッチャーの事例
左利きキャッチャーは非常に珍しいですが、MLBでは過去に数少ない事例が存在します。
代表的な例が、ベニー・ディステファーノ選手です。
彼は1989年にピッツバーグ・パイレーツで左投げキャッチャーとして3試合に出場しました。これはMLBの公式戦で最後に記録された左利きキャッチャーの例です。



ベニー選手は、日本でも中日ドラゴンズの一員としてプレーしていました。気性が粗くて乱闘ばっかりしていたイメージがありますが…。
また、日本のプロ野球においても、オープン戦や練習試合では左投げの選手がキャッチャーを務めた事例がありますが、公式戦での起用はほぼありません。
やはり、左利きキャッチャー特有の送球や守備の難しさが問題なのでしょう。
しかし、少年野球やアマチュアレベルでは、特に低年齢層において左投げキャッチャーが試されるケースもあります。
今後、野球の戦術の進化によっては「左利きのキャッチャー」登場の可能性もあるかもしれません。
② ソフトボールでは左利きキャッチャーが成立する理由
ソフトボールでは、野球とは異なるルールや試合展開の特性があるため、左利きキャッチャーが成立しやすい環境になっています。
最大の違いは、盗塁の頻度と送球の距離です。
ソフトボールのダイヤモンドは野球よりも狭いため、送球の距離が短くなります。
その結果、送球の際のロスが生じにくく、左投げのキャッチャーでも守備をこなせる可能性が高まります。
また、ソフトボールではクロスプレーが少なく、本塁での交錯のリスクが比較的低いことも、左利きキャッチャーが起用されるケースがあります。
特に女性のソフトボールでは、左投げのキャッチャーが一定数存在し、守備面でも大きな不利を感じることなくプレーできる環境が整っています。
競技の特性によっては、左利きキャッチャーが活躍できる場面もあるのです。
野球でも適切な戦術や育成方法を取り入れれば、左利きキャッチャーが増える可能性はあるかもしれませんね。
③ 現代野球で左利きキャッチャーが増える可能性は?
近年の野球では、かつてよりも左打者の割合が増加しており、それに伴ってキャッチャーの送球の難易度も変化しています。
従来、左利きキャッチャーは二塁への送球が右打者の体に当たりやすいため不利とされてきました。
しかし、最近では左打者の増加により、右投げのキャッチャーでも同様の問題を抱えるケースが増えています。
また、データ分析の発展によって、キャッチャーの役割が従来の「肩の強さ」だけでなく、「フレーミング技術」や「リード能力」といった戦術的な要素にも重点が置かれるようになっています。
送球の難しさという点だけでなく、キャッチャーの総合的な能力が評価される時代になってきたとも言えます。
時代に合った戦術などの変化が続いていくと、将来的に左利きキャッチャーの登場が増える可能性もあり得るかもしれませんね。
左利きの野球選手が活躍しやすいポジションとは?
左利きの選手がキャッチャー以外で活躍しやすいポジションについて詳しく解説します。
- 左投げが有利なポジションの特徴
- 左利き選手の育成方法と今後の展望
① 左投げが有利なポジションの特徴
野球では、左投げの選手が有利とされるポジションがいくつか存在します。
一塁手
一塁手は、送球をスムーズに処理できるため、内野手からのボールを自然な動きでキャッチできます。
また、ダブルプレー時のピボット動作が効率的になりやすい点も利点です。
外野手
外野手では、左投げの選手は打球を処理しやすく、送球の角度を確保しやすいため、有利な場面が多いです。
特にライト(右翼手)は、三塁への送球がスムーズなため、左投げ選手が起用されることが多くなっています。
投手
やはり左利き、サウスポーと言えば投手ですよね。
サウスポーだと、左打者に対して有利な投球角度を作りやすいだけでなく、変化球の軌道が右投手とは異なるため、打者が対応しにくいのも特徴です。
特に、左投手は対左打者に強いことから、リリーフ投手としても重宝されるケースが多く見られます。
さらに言うと、クローザーやリリーフ投手としての起用も有効です。
特に、ワンポイントリリーフとして起用されることが多く、試合終盤の重要な局面で活躍する機会が多々あります。
② 左利き選手の育成方法と今後の展望
左利きの選手が野球で成功するためには、幼少期から適したポジションで育成することが非常に重要です。
特に、投手や一塁手、外野手といったポジションに早い段階で適性を見極め、重点的に技術を磨くことが求められます。
左投げの選手は右投げの選手と比較すると割合的に珍しいため、指導者の理解も必要になります。
適切なポジションでの経験を積ませることで、選手の能力を最大限に引き出すことが可能となるでしょう。
また、近年の野球では戦術の変化も進んでおり、データ分析を活用した起用法が発展しています。
ですので、従来の常識が覆る可能性もあります。
将来的に、左利きキャッチャーが登場する可能性もゼロではないということです。
ルールの改正や新たなトレーニング方法の確立によって、左投げの選手がこれまで難しいとされていたポジションに挑戦できる時代が来るかもしれません。
このように、左利きの選手が成功するためには、適切な育成と戦術の進化が鍵となります。
まとめ:キャッチャーに左利きがいないのは不利もあるが、その能力があればピッチャーにしたい


左利きキャッチャーが少ない理由はあるものの、絶対に不可能というわけではありません。
キャッチャーに左利きが少ない理由をまとめますと、
- 二塁・三塁への送球が難しい
- 本塁クロスプレー時にメッチャ不利
- 捕手をこなせる能力の高い左利き選手は投手に重宝される
- 左投げ用キャッチャーミットの少なさ
しかし、MLBでは過去に左利きキャッチャーが公式戦に出場した事例もあり、ソフトボールでは左投げのキャッチャーが普通にプレーしています。
近年は左打者が増えてきたことで、右投げキャッチャーも送球に苦戦するケースが増えています。
そのため、今後の戦術や育成方法次第では、左利きキャッチャーが誕生する可能性も十分にあります。
また、左利きの選手は一塁手、外野手、投手などのポジションで有利な点が多く、適したポジションで活躍することが重要です。
今後、野球の進化とともに左利きキャッチャーが登場する日が来るかもしれませんね!