ロングスロー時に使用されるタオルが、今サッカー界で様々な議論が巻き起こっています。
特にJリーグでは2024年にJ1昇格を果たした町田ゼルビアのタオル使用について、ネットで色々な意見を見ます。
ロングスローはそのワンプレーで相手ゴール前にボールを送り込むことができるので、チーにとっては重要な戦術のひとつです。
濡れたボールをタオルで拭けば、手が滑らないのですが、タオルを使う行為はフェアプレー精神に反するとして批判を受けている事実もあります。
この記事では、ロングスロー時のタオルの意味や論争、そして将来的にルールが見直されるのかを解説しています。
サッカー界における公正な競技環境を守るためには、どのような対応が必要なのでしょうか。ぜひ、最後までお読みください。
ロングスロー用タオルとは?その意味と役割
ロングスローは、スローインでボールを遠くに投げ込むプレーであり、選手にとって重要な戦術のひとつです。
まずはロングスローとタオルの因果関係など、次の内容のとおり見ていきましょう。
- ロングスローの基本と戦術内容
- タオル使用のメリット:ボールの滑り止め効果
- サッカー界でのタオル使用に対する議論
① ロングスローの基本と戦術内容
ロングスローとは、サッカーの試合中にボールがタッチラインを超えた際に、スローインとして投げるボールを遠くへ運ぶ技術です。
通常のスローインと違い、選手が助走をつけてボールを投げることで、より長い距離をカバーすることが可能です。
あと、確か数十年前に筑波大学の選手が前転してスローイングする「ハンドスプリングスロー」というのもありましたね。
こういうやつ
↓↓↓
ゴールに近い場所からのロングスローは、直接ゴール前にボールを運べるため、ヘディングやフィジカルが強い選手をゴール前に集めれば得点の可能性が高い戦術なわけです。
一部の選手は、30メートルから40メートルもの距離を正確に投げることができます。
試合の流れでのクロスボールだとDFに阻まれることがありますが、ロングスローだとまず間違いなく相手ゴールまで届くのでチャンスが広がるわけですね。
とはいえ、ロングスローは力だけではない技術とコツがあって、誰もができるものではないのです。
② タオル使用のメリット:ボールの滑り止め効果
ロングスロー用のタオルを使用する理由は、選手の手やボールが汗や湿気で滑りやすくなるのを防ぐためです。
特に雨の日や湿度の高い日には、手が滑ってボールがうまく投げられないことがあります。
そこで、タオルでボールや手をしっかり拭くことで、手が滑らないよう正確で遠くにボールを投げることができるのです。
滑った状態で無理にボールを投げると、手や腕に過度な負担がかかる可能性があるため、タオルを使うことは安全面でも有益らしいです。
例えるならボクシングでいうパンチは、空振りするとかなり体に負担がかかるそうで、同じことなのかもしれませんね。
③ Jリーグでのタオル使用に対する議論
フィールドにタオルを置くこと自体、JFAのルールにおいても禁止されていません。
しかし、最近ではフェアプレー精神に反するとの議論が起こっています。
濡れたボールを拭くのとは逆に、すこし湿ったタオルでボールを拭くと指がひっかかりスローインの飛距離や精度が増すそうです。
それを知った一部のファンやサッカー関係者から批判の声が高まっています。
これに対して、タオル使用は滑り止めという点では「ある意味キーパーグローブと同じだろ」という意見も。
とにかく、ロングスローは直接的に得点に絡むことができるので、ルール内でのトリックプレーやデザインはれっきとした戦術であるとも言えます。
ロングスロー用タオルに対する批判とルールの背景
ロングスロー用タオルの使用については、近年、多くの批判が出ています。
特にフェアプレー精神に反するとの意見が強く、タオルの使用に関してはルール改正の動きが進んでいます。
まずは以下の3つの問題を見ていきましょう。
- 批判の理由:フェアプレー精神がない
- 実際に起きたタオルをめぐるトラブル事例
- Jリーグや他のリーグでの対応
① 批判の理由:フェアプレー精神がない
すこし湿ったタオルでボールを拭くことによって、手の滑り止め効果が高まり、通常の乾いたタオルを使う選手に比べて飛距離が出やすくなるのです。
ただですね、これがルール上で禁止もされていないタオルではなく、松ヤニや野球や体操競技で使う粉だったら、まだわからなくもないのですが…ね。
「タオルはダメだけど、じゃあユニフォームで拭くのもNGなのか?」
とか、線引きは難しいとも思います。
そういや、甲子園で優勝したハンカチ王子:斎藤佑樹氏が使ったハンカチ(ポケットタオル)は汗を拭くものでしたけど、ボールの滑り止めとか批判は起こらなかったですね。
② 実際に起きたタオルをめぐるトラブル事例
2024年9月28日J1リーグの試合【サンフレッチェ広島vs町田ゼルビア】で、ロングスロー用のタオルに関してトラブルが発生しました。
町田の選手がロングスロー時に滑らないために使用するタオルに、なんと広島の選手が水をかけるという行為をしました。
「タオルを使ってはいけないというルールはありませんが、相手チームのタオルを濡らしてはいけないというルールもない」
という言い分なのかもしれませんが…。
そうは言っても、相手チームが用意したモノに対して行った妨害行為を「あってはならない幼稚な子供の嫌がらせ」とネットでも話題に。
実際、町田ゼルビア監督:黒田剛氏も猛抗議をしていますし、プロなら嫌がらせ行為(相手が用意したモノに手を加える)ではなく、ロングスローの対応は対人プレーや守備陣形ですべきと思うのですが。
まぁそれだけ町田ゼルビアのロングスローは相手チームにとって脅威なんでしょうね。
このような事例が増えることで、タオル使用に対する議論がさらに白熱しています。
黒田剛監督の【勝つ、ではなく、負けない。】
こちらの黒田剛監督の著書は、ビジネス本としてもメッチャ参考になります。気になったらぜひチェックしてみてください。
③ Jリーグや他の海外プロサッカーリーグでの対応
現在、Jリーグではタオルの使用について明確なルールはありませんが、一部の海外プロサッカーリーグではタオルの使用が禁止されています。
例えば、イングランドのサッカーリーグEFL(2部から4部のリーグを運営)は、2024年からスローイン時にタオルを使ってボールを拭くことを禁止すると発表しました。
これまでは、濡れたボールが滑らないようにタオルで拭くことがよく行われていましたが、試合をスムーズに進めるために禁止されたのです。
グランドに散水されて濡れたボールを拭くためなので「やりすぎでは?」との意見も多かったようです。
また、観客から借りた衣類でボールを拭くことも禁止され、代わりにマルチボールシステムが導入されます。
この決定に対し、WBAというチームは驚きを表し、SNSで「タオルに別れを告げる」ユーモラスな反応を示しました。
なお、プレミアリーグでは引き続きタオルの使用はオッケーだそうです。
ロングスロー時のタオル使用:ルール改正の可能性
ある意味、町田ゼルビアがきっかけとなったタオル論争で、どのようにルールが変化していくのか注目されています。
特に、フェアプレー精神に基づいた新たな規制が導入される可能性があるので、懸念される3つの内容を見ていきましょう。
- タオル使用に対する現状のルール
- 将来的なルール改正の方向性
- タオル使用禁止が与える影響
① タオル使用に対する現状のルール
現在のところ、タオル使用禁止といったルールは、Jリーグをはじめほとんどのリーグで設定されていません。
一部の批判がカンフル剤となって、タオル使用の規制が厳しくなったとして、雨の試合や暑い日の試合で汗を拭く時はどうするのかも気になってきます。
また、タオル使用是非の問題の前に、相手チームが用意したアイテムに手を加える(タオルを水で濡らす)といった、ルール以前のモラルの問題もきちんと議論してほしいです。
② 将来的なルール改正の方向性
将来的にタオル使用のルール改正があるならば、フェアプレー精神前提での規制が考えられます。
特に、濡れたタオルの使用や、時間稼ぎとしてのタオル使用を防ぐための明確な時間制限が設定されるかもしれません。
まぁ時間稼ぎについては、タオルだけでなく、脚が攣った(演技?)場合などもありますよね。
あ…懐かしいのは、キャプテン翼の「鳥かご」ですね。若林源三率いる修哲小が大空翼の南葛小に行ったパス回し。
③ タオル使用禁止が与える影響
タオル使用が禁止された場合、例えば雨や汗で手が滑ってしまい、ロングスローを避ける選手も出てくることでしょう。
しかし、一部のチームはその制限を逆に活かして、新たな戦術を開発するかもしれません。タオル使用の是非に関する議論は今後も続くことでしょう。
ちなみに、ロングスローを警戒された町田ゼルビアのトリックプレーは面白かったですね。
ルール上全く問題はないですし、その発想力は素晴らしいなと思いました。
まとめ:ロングスロー用のタオルとは、ある意味戦術の一つ
ロングスロー用のタオルは、スローイン時に滑って上手く投げられないことを防ぐために使用します。
湿ったタオルを使用することで、飛距離や正確性を向上させる効果がありますが、この行為がフェアプレー精神に反するとして、一部の監督や選手からは批判が寄せられています。
とはいえ、野球でいうロジンバッグ(滑り止めの粉末を入れた袋)ほど滑り止めになるわけでもないので、タオルで拭くぐらいは認められても良いのでは?という意見も多いです。
その一方で、Jリーグでもタオルをめぐるトラブルが発生しており、ルール改正の可能性が議論されています。
今後、タオルの使用目的に関するルールが改正されることがあるかもしれません。もし、そうなったらサッカーの戦術や試合運びに大きな変化が生まれるのでしょう。
ロングスローの時に使われるタオルについては、サッカーにおけるフェアプレー精神と戦術のバランスを考える上で、今後も注目が集まるテーマなのですね。