青森山田のロングスロー問題とは?常勝軍団の苦悩と今後の展開

青森山田のロングスロー問題とは?常勝軍団の苦悩と今後の展開
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青森山田高校のロングスロー戦術が、近年のサッカー界で大きな話題となっています。

特に全国大会ではこの戦術が多くのゴールを生み出し、チームを勝利に導いてきました。

しかし、賛否両論が飛び交う中、ロングスローの真の効果やその是非について議論が活発化しています。

この記事では、青森山田のロングスローが招いた論争やその戦術的影響、さらには今後の期待について詳しく解説します。

もくじ

青森山田のロングスロー問題が招いた賛否

近年の高校サッカーの常勝軍団:青森山田高校サッカー部。

その強さの秘訣は、個のフィジカル強さ、試合終了まで相手チームの良さを消す前プレ・ハイプレス、雪国で培った精神力、そして、ロングスローですね。

もちろん、止める・蹴るといった基本レベルが高いのは言うまでもありません。

では、なぜ青森山田が「ロングスローを使うのか?」と聞かれると、ぶっちゃけボールが外に出たらスローインで投げ入れるルールだから、です。

で、ゴール前までロングスローが届く選手がいるから、です。

だったら、近くにいる選手に投げるよりも、ゴール前にいる選手に競ってもらって、ヘディングなり、ポストの起点となってマイボールにすれば得点の可能性が高いから。

だとボクは思います。

とはいえ、青森山田をはじめとするロングスロー戦術が問題を呼び起こし、賛否両論がアチコチで話題となっています

これまでの大会でもその強力な武器として注目されてきましたが、最近の試合では特に物議を醸しています。

なぜ青森山田のロングスローが問題といわれるのか、以下のとおり詳しく見ていきましょう。

  • 青森山田:選手権・全国大会でのロングスローの活躍
  • サンフレッチェ広島ユース戦での論争
  • 青森山田のロングスローに対する評価と批判
  • ロングスローへの対策は進化するか?
  • そもそもロングスローとはどんなプレーか?

① 青森山田:選手権・全国大会でのロングスローの活躍

全国大会では、青森山田高校のロングスローが多くの場面で輝きを見せています。

特に大舞台でその威力を発揮し、幾度となく重要な得点に結びつけています。

例えば、2023年の高円宮杯U-18プレミアリーグの決勝戦で、サンフレッチェ広島ユースとの対戦で同点ゴールを決めたシーンが記憶に新しいです​。(下記でも説明)

青森山田高校は、ロングスローを攻撃の中心に据え、相手チームに強いプレッシャーを与えてきました。

特にセットプレーの場面では、守備の集中力を削ぐ効果があり、その結果、勝負を決める得点を生むことが多々あります。

② サンフレッチェ広島ユース戦での論争

2023年の高円宮杯U-18プレミアリーグのファイナルで、青森山田高校とサンフレッチェ広島ユースが対戦しました。

この試合で、青森山田のロングスローから得点が生まれた場面が物議を醸しました。

青森山田の選手がゴールキーパーに接触し、ゴールが認められたことが問題視され、試合後に広島側から日本サッカー協会へ質問状が提出されました​。

協会は、この得点について「ファウルと判断できる」と回答しましたが、試合結果の変更はありませんでした。

この一件は、ロングスロー戦術に対する疑問を呼び起こすきっかけとなり、多くのサッカーファンの間で議論が巻き起こりました。

ただし、ロングスロー云々が問題ではなく、キーパーチャージが問題なわけですよね。

ノリオ

クロスやパワープレー時のロングボールも同じくキーパーチャージが起こりやすいですから

問題となったシーンはこちらの動画で見ることができます。
↓↓↓

キーパーも触っていなさそうですし、協会はキーパーチャージ…と判断されたんです…ね。

③ 青森山田のロングスローに対する評価と批判

ロングスローは、青森山田高校の戦術の一部として非常に効果的ですが、一部からは「単調な戦術」との批判もあります。

特に、技術的なプレーやパスワークを重視するサッカーファンの中には、ロングスローの多用を「サッカー本来の魅力を欠いている」と見る声もあります​。

しかし一方で、セットプレーの一環としてしっかりと戦術に組み込まれたロングスローは、強力な武器であり、守備側にとっては非常に脅威となります。

実際、青森山田の魅力は、ロングスローだけではなく、あくまで数ある戦術のうちの一つに過ぎないのです。

このような両極端な意見がある中で、青森山田の戦術は今後も注目され続けるでしょう。

④ ロングスローへの対策は進化するか?

ロングスローへの対策として、相手チームも工夫を凝らしています。

横浜FCユースとの試合では、相手ディフェンスがロングスローに対してしっかりと対応し、ヘディングでクリアするシーンが多く見られました​。

ポストプレーとなる選手への対応やポジショニングできっちり守備をすれば防げるのも事実です。

今後、ロングスローに対する守備戦術もさらに進化し、攻防がより高度なものになることが予想されます。

⑤ そもそもロングスローとはどんなプレーか?

ロングスローとは、サッカーのスローインを長距離にわたって投げる技術のことを指します。

青森山田高校では、このロングスローを使って相手ゴール前にボールを送り、セットプレーの一環として得点機会を狙います。

特にディフェンスラインからゴール前へ一気にプレッシャーをかけるため、通常のスローインよりも攻撃力が増します。

ロングスローは、フリーキックやコーナーキックのように直接ゴールを狙えるわけではありませんが、ゴール前の混戦を作り出し、相手にとって非常に厄介な状況を生み出すプレーです。

青森山田高校では、特にこの技術が高度に発達しており、インターハイや選手権大会などの全国大会で何度もゴールを決めてきました。

ロングスローがもたらす戦術的な影響

ロングスローは、サッカーの試合において戦術的に非常に重要な役割を果たしています。

特に青森山田高校のように、フィジカルの強さを生かしたチームにとっては、攻撃のバリエーションを広げる有効な手段となります。

ここでは、ロングスローを深堀していくので一緒に考えていきましょう。

  • 攻撃のバリエーションを広げる手段
  • ロングスローの弱点とは?
  • 相手チームが取るべき対策

① 攻撃のバリエーションを広げる手段

ロングスローは、コーナーキックやフリーキックと同様に、攻撃の一つの手段として機能します。

通常のプレー中に得点チャンスを作り出すだけでなく、セットプレーの一環として戦術的に使われるため、チーム全体の攻撃力を大幅に向上させることができます。

例えば、相手チームがロングスローを警戒してゴール前を固めたのであれば、ロングスローではなく、近くの選手にスローインして、それを見た相手チームの陣形が崩れたところでクロスを入れる、などですね。

② ロングスローの弱点とは?

ただし、ロングスローには弱点もあります。

いったんプレーが切れるので、相手ディフェンスも仕切り直しできますし、自分のマークを見ながらロングスローに対応できます。

また、スローイン自体はフリーキックやコーナーキックに比べて正確さが求められるものの、そもそもロングスローできる選手がいないと成り立ちません。

もう一つ言うと、味方が空中戦に弱い選手ばかりだったり、相手ディフェンダーが高さには絶対の自信があるとロングスローが無意味になってしまいます。

③ 相手チームが取るべき対策

ロングスローに対する最も効果的な対策は、高い集中力と位置取りの良さを持つディフェンスラインを形成することです。

また、相手チームのロングスローの傾向を把握し、適切なポジショニングを取ることも重要です。

そして、高さで競り勝てる選手が相手キーマンの選手のマークに付くことです。

横浜FCユースは、このような対策を講じ、青森山田のロングスローを封じ込めることに成功しました。

今後の青森山田の戦術と期待

青森山田高校は、ロングスローを戦術の一つとして多くの勝利を収めてきましたが、今後はさらなる戦術の進化が期待されています。

  • ロングスローを超えた新たな戦術の可能性
  • 他校への影響と波及
  • 次世代のサッカースタイルを築く青森山田

① ロングスローを超えた新たな戦術の可能性

ロングスローはもちろん強力な武器ですが、青森山田高校が持つポテンシャルはそれだけに留まりません。

例えば、スピードを活かした攻撃や、細かいパスワークを駆使した戦術も強化されています。

また、相手のスタミナを根こそぎ削るゴリゴリのフィジカルの強さがあります。

試合終了までプレスをかけられる豊富な運動量は、相手チームにとっても脅威ですし、華麗なパスサッカーをつぶすことができます。

また、雪国という環境の中で厳しい練習を積んできた選手たちの精神力は、ちょっとしたピンチや逆境には揺るぎません。

今後も、青森山田の伝統をもとに、ロングスロー以外の新たな戦術が展開されることが期待されます。

② 他校への影響と波及

青森山田のロングスロー戦術は、他の高校チームにも大きな影響を与えています。

特に、フィジカルの強さを活かしたチームが、同様の戦術を導入するケースが増えています​。

具体的に言えば、2021年1月11日に行われた全国高校サッカー選手権大会決勝戦において、青森山田にPKで勝利した山梨学院もそうですね。

山梨学院 2-2 青森山田
(PK4-2)

③ 次世代のサッカースタイルを築く青森山田

青森山田高校は、これまでの戦術を進化させ続け、次世代のサッカースタイルを確立しつつあります。

ロングスローを超えた新たな戦術や、他校への影響力も加味すると、今後もサッカー界で注目される存在であり続けるでしょう。

青森山田出身の松木玖生選手(FC東京→サウサンプトンFC[イングランド])のようなアグレッシブで個性あふれる選手が次々に出てきてほしいです。

まとめ:青森山田のロングスロー問題は日本サッカー界の発展にも関係

青森山田高校のロングスロー戦術は、賛否が分かれる一方で、非常に効果的な攻撃手段として全国大会で多くの成果を上げてきました。

特に、サンフレッチェ広島ユースとの試合では、そのプレーが物議を醸し、議論の的となりましたが、戦術としての威力は確かです。

一方で、ロングスローに対する対策が進化しており、相手チームもそれに対応し始めています。

今後の試合では、ロングスローを中心とした攻防がさらに高度化し、新たな戦術の進展が期待されます。

青森山田高校がこの先、ロングスローに続く新たな攻撃スタイルをどのように展開するのか、サッカーファンにとって注目すべき点です。

そして、青森山田をはじめとした全国の強豪校やユースが、お互いのレベルを高め合っていけば日本サッカー界にとってもプラスとなるのですね。

近い将来、

  • スローインで30m以上スローしてはいけない
  • ゴール前に直接スローインでボールを送ってはいけない

こんなルールに改正されることは無い…とも言い切れないのでしょうかね?

青森山田のロングスロー問題とは?常勝軍団の苦悩と今後の展開

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