高校サッカーの「スーパーシード制」、その仕組みを知っていますか?
一部の強豪校、最近ですと青森山田など予選の初戦を免除されるこの制度は、競技力の維持を目的として導入されています。
しかもそのトーナメント表を見ると廃止されてもおかしくないぐらい「ズルい」「不公平だ」と批判されることもしばしばです。
ボクも以前の長崎県大会のトーナメント表を初めて見た時は「エグすぎだろ!?」と目を疑いましたよ。
この記事では、スーパーシード制の概要や批判される理由、そして今後の改善案について詳しく解説します。
あ、先に言ってしまうと高校サッカーでのスーパーシードは今のところ廃止される予定はないです。
高校サッカーをもっと知りたいあなたに、新たな視点を提供する内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
高校サッカーのスーパーシード制とは?廃止されてもおかしくない?
高校サッカーのスーパーシード制について、以下のとおり詳しく解説します。
- スーパーシードの基本概要
- 高校サッカーにおける県別スーパーシード
- 制度が導入された背景と意図
- 他の競技との比較で見るユニークな特徴
- 高校サッカーのスーパーシードの条件
ちなみに冒頭文でお話した2003年インターハイ長崎県大会のトーナメント表はこちらです。
引用:Yahoo!JAPAN知恵袋
いきなり決勝ってモーレツにエグイですよね。
ただ、これにはきちんとした理由があって、インターハイ長崎開催だったので元々長崎県は2枠ありました。
そして、その1枠は前年の新人戦優勝校で国見高校だったのです。
ですので、その国見高校を普通にトーナメントに参加させてしまうと、他の高校の優勝の可能性が狭まってしまうということです。
それにしてもこの時の国見はえげつない強さでした。
平山相太選手、兵藤慎剛選手、中村北斗選手といった超高校級プレーヤーが有名でしたね。
① スーパーシードの意味合い
一般的なシード制とは、一部の特定校をトーナメントの2~3回戦から参戦する制度です。
前年度や直近の大会などの実績を考えてシードされるわけですが、その特性上、他校との公平性の観点で議論を呼ぶことが多い制度です。
引用:RAB青森放送
青森山田は準決勝からの登場、スーパーシードってやつですね。
② 高校サッカーにおける県別スーパーシード
結構エグいと言われる過去にあった県別スーパーシードを紹介します。
都道府県 | 高校名 | スーパーシード |
---|---|---|
青森県 | 青森山田 | 準決勝から試合 |
福島県 | 尚志 | 準々決勝から試合 |
埼玉県 | 昌平 | 準々決勝から試合 |
千葉県 | 市立船橋、流経大柏 | 準々決勝から試合 |
香川県 | 藤井学園寒川、大手前高松、四国学院大香川西 | 準々決勝から試合 |
徳島県 | 徳島市立、徳島北 | 準々決勝から試合 |
愛媛県 | 帝京第五 | 準々決勝から試合 |
熊本県 | 大津 | 準々決勝から試合 |
宮崎県 | 日章学園、鵬翔、宮崎日大 | 準々決勝から試合 |
③ 制度が導入された背景と意図
スーパーシード制は、競技力向上を目的として導入されました。
強豪校は他の全国大会やリーグ戦にも参加しており、選手たちの負担を軽減する必要があるとの判断から生まれた制度です。
また、後半戦で強豪校同士がぶつかることで、観客の関心を引き付ける効果も期待されています。
一方で、観客動員やテレビ中継の視点が強く影響している点も高校サッカーファンの間で論争されていますね。
④ 他の競技との比較で見るユニークな特徴
スーパーシード制はサッカー以外の競技でも見られることがありますが、適用範囲や頻度はサッカー界が独特です。
例えば、高校野球では予選からすべての試合に参加する形式が基本です。
ちなみに高校野球のスーパーシードと言われたのが、2024年神奈川県秋の県大会で優勝した横浜高校が、地元神奈川開催の秋季関東大会のスーパーシードを得ました。
とはいえ、スーパーシードと言っても「2回戦」からの登場なんですね。
ですので、高校野球と比較すると、高校サッカーのスーパーシード制は強豪校に特化した「優遇措置」として異彩を放っています。
あとは、箱根駅伝でいうシード権は、スーパーシードとまでは言えないですかね。
高校サッカーのスーパーシードの条件
高校サッカーにおけるスーパーシードの条件は【そのチームに日本代表に選出された選手が複数に所属している】とのことです。
ふ~む、「日本代表に選ばれている主力選手がいないから試合をすると負ける可能性が高くて不利?」ということですかね。
まぁなるほどというか、そうじゃないと高校サッカーの監督も「じゃあウチの選手を日本代表に送らないよ、じゃないとトーナメント勝ち抜けないからね」となっちゃうのでしょうね。
海外クラブチームやJリーグのチームが人気や主力選手を日本代表に参加させない、みたいな…
高校サッカースーパーシード制が「ズルい」と言われる理由
なぜスーパーシード制が批判されるのか、その背景を見ていきましょう。
- 一部の強豪校が優遇される仕組み
- 地域ごとの適用格差とその問題点
- トーナメント全体の公平性への影響
① 一部の強豪校が優遇される仕組み
スーパーシード制は、基本的に過去の大会成績が評価基準となります。
これにより、実力が急成長している学校や新たに台頭してきたチームが不利な立場になってしまう場合があります。
また、強豪校が対戦を免除されることで、他校との競争が実質的に不公平になるという声も挙がっています。
② 地域ごとの適用格差とその問題点
スーパーシード制の運用は地域によって異なる場合があります。
一部の地域では、強豪校が圧倒的に少ないため、制度の恩恵を受ける校が偏ることがあります。
この格差は、特に地方の学校にとって不公平感を増幅させる要因となっています。
③ トーナメント全体の公平性への影響
トーナメント形式では、予選から試合を勝ち抜くことで、選手たちの成長が促されるという側面があります。
しかし、スーパーシード制はその機会を一部の学校から奪いかねないという批判も存在します。
また、後半戦で強豪校が一気に登場することで、試合の流れや観客の興奮度合いが不自然になる場合もあります。
高校サッカーでのスーパーシード制の課題と今後の展望
現在のスーパーシード制が抱える課題と、その未来について考えていきましょう。
- 現場での不満と廃止を求める声
- 制度改正案の提案と議論
- 公平性と競技力向上の両立を目指して
① 現場での不満と廃止を求める声
多くの関係者から「制度の見直し」を求める声が上がっています。
特に、地方校の監督や選手たちは「強豪校だけが優遇されるのは不公平」と感じています。
これらの意見が多く聞こえる中、制度の廃止や改正に向けた議論が進む可能性もあり得るのかもしれません。
勝負に絶対は無いので「ワンチャンあるよ!」とジャイアントキリングを狙う普通校もあるのでしょう。
② 制度改正案の提案と議論
改正案として、「上位シード校も初戦を戦うべき」という提案があります。
また、シード校を増やして、より多くの学校に恩恵が行き渡る仕組みにするべきという意見も出ています。
これにより、公平性を確保しつつ、強豪校の過密スケジュールも緩和できるとされています。
とはいえ、いきなり全国優勝を狙う強豪校と1回戦で当たって青春・部活がソッコーで終わるのも勘弁です…かね?
③ 公平性と競技力向上の両立を目指して
スーパーシード制の改正には、公平性と競技力向上の両方を両立させる視点が必要です。
選手たちの負担を軽減しながら、すべてのチームに平等な競争の場を提供することが求められます。
未来の高校サッカーの発展には、このバランスを取る制度設計が重要となってくるのでしょうね。
まとめ:高校サッカーのスーパーシードは廃止を求められるほどエグいが色々と検討の余地アリ
高校サッカーのスーパーシード制は、強豪校の負担軽減と競技力維持を目的とした制度ですが、公平性に疑問を持つ声も少なくありません。
特に地方の学校や新興勢力にとって、この制度は不利に働く場合があります。
また、観客や関係者からも「ズルいから廃止してくれ!」との批判が寄せられる中で、廃止や改正を求める声が高まっています。
ですので、公平性と競技力向上を両立するためには、新たなルール設計や議論が必要です。
まぁ確かに青森山田のような全国常連サッカー部と県大会1回戦で対戦となったら「部活終了…」と思うかもしれませんが、良い思い出にもなると思うんです。
「俺、高校の時には青森山田と戦ったよ!!」と言えるのはある種自慢できますよね。(ボロ負けでも)
高校サッカーの未来をより魅力的なものにするために、今後の動向にも注目していきましょう。